2017年11月02日

Book Review: Training Essentials for Ultrarunning by Jason Koop

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マラソンを始めたときは、Running Roomのマラソンクリニックに参加して、マラソンの一から十までを教えてもらった。マラソンの一から十というのは、トレーニングの方法、グッズの選び方、栄養、ストレッチの方法、レース前の準備と心得、レース中の注意点等々である。マラソンというのは、大変なスポーツである。初めてのマラソンで楽しく、自分の思い通りの走りをするには、十分なトレーニングと知識が必要である。何の準備もなく知識もない状態で出走すれば、それなりの結果となるだろうし、なかなか楽しいというわけにはいかないと思う。ということで、私は安全策を取り、Running Roomのマラソンクリニックに参加した。このクリニック、とてもお勧めである。

ウルトラを始めた時、先ず、トレーニングの仕方が分からなかった。多分、沢山走らないといけないのだろうなとは思ったが、ではどの位の距離が必要なのか。また、坂道トレーニングやテンポランなどの、スピードを上げたトレーニングは果たして必要なのかどうなのか。これもよくわからなかった。

というわけで、ウルトラのトレーニングについて知識を得たいと思い、図書館から本を借りることにした。オンラインでも検索してみたが、今一つ役立ちそうなサイトを見つけることが出来なかった。一方、図書館のサーチでは簡単に幾つかの本を検索することができた。

Training Essentials for Ultrarunning という本は、その中でもレビューの☆の数がたくさんついた本で、発行年も2016年と比較的新しく、最新の情報も得られるだろうと思い楽しみに読み始めた。

しかしながら、なかなか読む速度が上がってこなかった。最初の十数ページはコーチとしての仕事やトップランナーの話で、私的にはあまりピンとこなかった。でも、ウルトラランナーの私は諦めずに読み続けた!

第三章から少しずつテクニカルな話になってくる。どういう肉体がウルトラには必要なのか、どういうトレーニングが大切なのか、水や栄養の補給の意味について、年間を通したレーススケジュールの組み立て方など、なるほど!という事がたくさんあった。もちろん、トレーニングフィロソフィーは、著者Jason Koopさんの考え方であって、全てのコーチやランナーが同様の考え方ではない。彼は、テンポやインターバルも大切だと唱えるが、今読んでいる本ではテンポやインターバルはそんなに大切ではないと唱えている。が、このTraining Essentials for Ultrarunningを読んだときは、とてもその考え方に同意ができた。また、水や栄養補給についても、なるほどそういう理由かと、ランニング歴6年目にして初めてその仕組みが理解できた。水や栄養補給については、ウルトラだけではなくマラソンでも重要なことである。マラソンをする人にも、読んでもらいたい部分だと思った。

そして、この本の最後には、北米で開催されるメジャーなウルトラマラソンのコースの特徴や標高チャート、レースアドバイスとトレーニングアドバイスまで書いてある。メジャーなレースには、Hardrock 100やWestern States 100、過酷で知られるBadwater 135等が含まれる。Badwaterのレースアドバイスに、“道路わきの白線の上を走ると良い、アスファルトの上よりも低温”とあったのには笑った。本当は笑い事ではないのだが。

著者であるJason Coopさんは、Western Statesの女子の優勝者でもあるKaci Lickteigさんのコーチでもある。そして、彼女のTwitterによると、Jasonさん、先週末の50Kレースで二位でゴールをしたらしい。素晴らしい!

ウルトラを本気で走っている人は、コーチを付けている人が多いと聞く。そこまででは未だないけど、という方は是非このJasonさんの本を始め、いろいろと読み漁ってトレーニングやレースのヒントを得てみたら如何かと思う。このTraining Essentials for Ultrarunningはお勧めですよ!

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posted by やすよ at 09:13| バンクーバー ☀| Book Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月15日

Book Review: Born to Run

BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”
by Christopher McDougall
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私が、最初に借りたかった『例の本』とは、この本。

以前に、同僚に勧められ、読もうと思って借りたは良いが
表紙を開ける前に、時間切れになってしまった過去があった。

確か、別の本を読んでいる最中に借りてしまったんだったと思う。
そして、今回がリベンジ。

マラソンに加えて、ウルトラやトレイルに興味を持ち始めたところだったから
ちょうど良いタイミングだった。

筆者がCaballo Branco 白い馬 と呼ばれるメキシコの山奥に住む米国人ランナーと出会い
“人類最強の走る民族” Tarahumara タラウマーラとのレースを開催するに至る話。

というのは、私が、好きだった部分で
この本には、他にも幾つかのテーマが有り
最新式のシューズへの考察や
怪我に悩まされる著者が、怪我をしなくなるまでの道のり
狩猟民族の狩の方法など
ちょっと気を許すと、あれ、今何の話なんだっけ?という感じになってしまう。

私が好きだった部分は、筆者がCaballo Branco と出会うところや、最後のレースの部分。
米国のトレイルラン界では、とても有名なスコット・ジュレックやジェン・シェルトンが
生き生きと描写されていて
私は、本を読みながら、これらの実在する人物がどんな人たちなのかをググッてみたり
このときの様子を収めた写真を探したりもした。

このレースの様子を収めた一枚の写真がある。

そこには、オレンジ色のシャツを着たスコットと
赤いシャツを着たタラウラーマランナーのArnulfo Quimare が写っているのだが
この産まれも育ちも全く違う二人が
同じ表情で、同じ足取りで、一枚の写真に納まってる。

Born to Run、この二人は、シンプルに走ることを愛している。
メキシコの山奥の勾配の激しいところを走っていて
しんどくないはずはないのだが、凄く爽やかな表情。

そして、恐らく、その時を楽しんでいる。
ラン友と二人で走るその瞬間を、ただただ楽しんでいる。

Caballo Branco がつなげた、走ることを愛する人たちの和。

シンプルに走ることを楽しみたくなる本。
そして、何時かはウルトラ挑戦!

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ラベル: ラン
posted by やすよ at 08:52| バンクーバー ☁| Book Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月23日

Book Review: 走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること
What I talk about When I talk about Running

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今年も早くも6ヶ月が過ぎようとしていたある日
さて、今年の初めに作った新年の抱負は
どのくらい達成できてるのかと、スマホのメモを確認したところ
一つ、すっかり忘れていたことがあった。

本を読む

そんな折、中央図書館に立ち寄るついでがあったので
例の本をこの機会に、と、思ったところ
全て借り出し中だった。
違う本で、走ることについて、と思って再度検索したところ出てきたのが
村上春樹さんの 走ることについて語るときに僕の語ること 

英語版では、What I talk about When I talk about Running といって
問答のような、心理学のようなタイトルの本なのだが
日本語で読んで、英語でも読んでみた。

正直言って、私は、村上は村上でも、村上龍さん 派だった。
コインロッカーズベイビーズに始まり、69、走れ、タカハシ
トークショーに出かけたことも有り
昔の上司が連れていってくれたカンブリア宮殿のパーティーで本人にお目にかかった時には
舞い上がった 笑。

一方、村上春樹さん。
ノルウェイの森や羊をめぐる冒険を読んだ事はあるのだが
龍さんのときのように、虜になるような感覚はなく今日に至っていた。

読み始めて、ほんの数ページで、私は、同じランナーとして
彼の言葉が、ストレートにどすん、どすんと胸の真ん中辺りに入ってくることに
少しの興奮を覚えた。

走っている描写のところでは、彼の眼前に広がっていた景色や
空気のにおいや湿度までも分かるような感覚。
呼吸のリズム、額に光る汗、考えては消えていく思考。
常にそこにあって、でも川の流れのように消えていく足取り。

ランナーであるからこそ、シンクロできる感覚なのだと思うが
まさか、ここにきて、村上春樹さんにやられれてしまうとは、全く想像だにしなかった。

バンクーバーのラン友に、偶然この本を読んだ人が二人いて
二人とも、良かったといっていた。
日本人として、ちょっと鼻が高い一瞬だった。

奇しくも、2007年の私の誕生日に発行されたこの本に
2015年の夏に、バンクーバーで出会うことになった。

私も、長距離走者として、人生を謳歌していきたいと思った。


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ラベル: ラン
posted by やすよ at 09:19| バンクーバー ☀| Book Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする